08/07/26 15:53:04 nn1nl1xz0
相撲部屋の相撲取りのように、腹が出ていた。マッサージ機にドッカと腰をおろしている亭主の姿に、
妻は息をのんだ。某福祉事業の職場にこもり、何をするでもない達磨のような管理職とやらを
一日中続ける生活を始めてから１年が過ぎていた。家族と食事もとらなくなり、
外食やスナックで散財しているだけ。「生きててたのしい？」。恐る恐る呼びかけても返事はなかった。
亭主はコネで天下りで某福祉課の部長で約３年職場にひきこもった。５０歳になった今振り返る。「歯も磨かず、
運動もほとんどしなくなった。冬は通勤にタクシー三昧になり、太った足で革靴では痛くなった」
近所付き合いも忘れ職場にのめり込む４０～６０代の管理職が増えている。
職場を離れた環境に立たせれば、太ってるだけで何もできないので周囲から「廃人」と呼ばれる。
そんな「廃人」になった亭主の相談を受けるＮＰＯ法人「家庭環境研究所」（横浜市）。ここ数年、管理職についた
亭主の「廃人」が目立つ。理事長は「特にお役所体質の職場、管理職になると
ただ居るだけで良くなり、周囲には自分に逆らう者もいない居心地のよい空間で、そこから抜け出せずに職場依存が
長期化するケースが多い。家庭放棄は情緒の不安定な夫婦間に多いのが定説だったが、
公務員天国や経団連天国が加速して、労働は派遣やパートにおしつけて、することが無くなり退屈になり、
その分を贅沢な外食やスナック遊びに転じしてる亭主が家庭放棄になっている」と指摘する。
なぜそんなに職場に依存してしまうのか。１０時に出勤し、管理職の座席につき、
タバコを一服し何か適当に命令する。「普通の仕事と違い、やることがない。経験がないと処理できない実務や
何回も挑戦して成功に至るような発明工夫もない」。大阪商業大現代社会研究所の
副所長は指摘する。