08/07/22 01:22:30 0
鉄道が世界的に見直されている。ガソリンや航空機燃料の価格が急騰する中で、少な
いエネルギーで大量の輸送を可能にする鉄道の再評価が進んでいる。鉄道大国の日本だ
が、それに備えた対応が十分かというと、心もとないのが実情だ。
国鉄の分割・民営化から約20年が経過した。JRの本州3社は完全民営化を果たし、
JR東海が、リニア中央新幹線の独自整備を打ち出すまでになっている。
個々の鉄道事業者は、利便性の改善や新規事業の開拓などに取り組んでいる。しかし、
将来の鉄道のあり方をどうするのかという点を含め、鉄道が抱えている諸課題につい
て国としても十分検討が必要だ。
交通政策審議会の鉄道部会が「鉄道の未来像」という提言をまとめた背景には、こう
した事情がある。
死者が100人を超した福知山線脱線事故の惨事を繰り返さないため、安全対策を徹
底することが必要だが、それ以外にも鉄道は解決すべき問題が数多い。
ICカード乗車券が拡大している一方で、複雑な運賃体系に合わせるためには巨大な
プログラムが必要となる。安定的な運用を確保するため、運賃や料金のあり方について
も検討すべきだと提言は指摘している。
ライバル路線に対抗するため、相互直通運転が拡大しているが、トラブルが起こると
運転休止が全区間に及ぶ。また、整備主体が異なる区間をまたがって列車が運行される
際に、初乗り運賃がかさんで負担感が増すといったことについても改善策を訴えている。
利用者が減っている地方鉄道や、貨物鉄道の位置づけなどの課題もある。
また、人口減少の中で、車両や信号なども含め、鉄道関連技術の継承と、新技術開発
のための体制整備も必要だろう。
(続く)
■ソース(毎日新聞)
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