08/07/17 00:36:12 0
(>>1の続き)
配信から信頼性の担保まで多用な仕組みのニュースメディアが生まれている中、企業にとって自らの信頼性を維持するための危機管理が
大きな課題になっていることは、想像に難くない。マスコミだけを相手に単一戦略で対処できる時代でなくなったからだ。
神ならぬ人間が集まって事業をやっている以上、いくら科学技術が進歩しようと、何らかの不祥事を起こしてしまうことは無いとはいえない。
問題はその後の危機管理。ここで「女将のマイク」に象徴されるように、科学技術の進歩による時代の風をよく見分けないと大けがをする。
従来、ニュースが時代の壁を超えなかった時代には、「ひたすら黙って耐える」のは決して悪い戦略ではなかった。新しい情報がなければ
ニュースも下火になる。やがて大きな事故でも起こればうやむやになる。しかし、今はできるだけ早い段階で対策を打ち、
ネットの中の否定的コンテンツ(内容)の絶対量を減らす戦略が求められる。
本紙の昨年の大型企画「ネット君臨」にも書かれている通り、ネットによって「一度つけられた傷は簡単には回復しない」からだ。
その時重要なのは「危機管理は、自分にとって正しいか正しくないかではない」ということだ。例えばシンドラーの幹部の人たちにとって、
原因がはっきりする前に頭を下げるのは正しくなかったのだろう。しかし、結果として彼らはせっかく食い込んだ日本市場を失ってしまった。
同様に人が死ぬという悲劇ながら、「そんな古い製品は使わないでくれ」と言いたくなるような状況で、松下電器産業は
「そこまでやるか」と思わせる徹底的な石油暖房機の製品回収活動を、テレビからインターネット、郵便までの全メディアで行った。
多大なコストがかかっただろうが、だからこそ単なる「社長の涙の記者会見」より多くの消費者が重く受け止めた。
企業における信頼性担保メカニズムというのは、結局その会社の姿勢を理解してもらい、それをブランド化することだ。
意図したかどうかは別に、松下はあの執念さえ感じさせる回収広告で、見事に「問題のある製品を出したら、
最後の一台まで回収するための努力をする企業です」という姿勢を周知させた。
続く