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福岡県に生まれた武内さんは麻布高校2年の時、東京・荻窪の有名店
「春木屋」のラーメンを食べ、その味に衝撃を受けた。以来、
ラーメンの食べ歩きを始め、感想や評価を詳細に記録するようになった。
日大を卒業後、建設会社に勤務しながら、同人誌などに独自のラーメン論を展開。
1992年に出演したテレビ東京系『TVチャンピオン 第2回ラーメン王選手権』に優勝、
第2代ラーメン王としてマスコミに登場するようになり、ラーメンの専門家として知られるようになった。
95年3月、横浜に開館した「新横浜ラーメン博物館」の登場を機に勤務先を退社。
同博物館の広報担当に転職し、2003年2月に退職するまで
「ラーメン業界のスポークスマン」として活躍し、夕刊フジにも連載をもつなどした。
その後、「ラーメン総合研究所」を設立、漫画原作、講演を行うほか、
昨年10月から、日本ラーメン協会の立ち上げに尽力した。
ラーメン店「支那そばや」店主で、“ラーメンの鬼”としても知られ、武内さんと
親交のあった佐野実さん(57)は「思い出はいっぱいあって語り尽くせない」
と言葉を詰まらせ、「最後に見舞いに行った時、たけちゃんの息が“ラーメン、
ラーメン”と言っているように聞こえた。あいつのラーメンへの思いは熱く、濃かった。
人生のすべてがラーメンだった。自分のほうが年上だけど、
いろんなことで勉強させてもらったし、業界に与えた影響も大きい。
彼はラーメン業界の国宝みたいな人。棺にはラーメンを入れようと思っている」と話した。
(終)