08/07/15 11:43:15 0
(>>1のつづき)
◎もうメディアの談合は通らない
しかし状況は変わり始めた。ダビング10という不合理な制度と、私的録音録画補償金という
不合理な制度を抱き合わせにして、国会も通さないで「エンフォース」しようとした文化庁の
もくろみは、当コラムなどウェブ世論の集中砲火を浴び、撤回せざるをえなかった。
そもそも全国民に受信制限やコピー制限を行なう制度が、法的根拠もなしにこうした業者間の
談合で決められることが異常だ。しかも文化庁には電機製品を規制する権限はない(家電
メーカーは経済産業省の管轄)。こうして官僚が個人的な人間関係を駆使して圧力団体や
政治家との利害調整を行なって政策を決めるのが、これまでの霞ヶ関のやり方だった。
こんな法治国家のルールを無視したごり押しがこれまで通ってきたのは、マスメディアが
権利強化を求める圧力団体の中心であるため、それに反対する意見を報道しない言論統制を
しいてきたからだ。
◎マスメディアも説明責任を果たせ
ウェブは、こうしたメディアの力関係を変えた。私は毎年、学部の授業で学生に「どのメディアを
毎日見ているか?」と挙手させるが、今年は新聞は1割以下、テレビは半分弱、そして携帯が
ほぼ100%だ。少なくとも若い世代にとっては、第一のメディアは(携帯を含む)ウェブであり、
新聞はほとんどミニコミのようなものだ。
メディアは民主主義をチェックし、それが健全に機能する上で重要な役割を果たすが、日本では
新聞社とテレビ局が系列関係になっているため、地デジやB-CASのような官製談合が堂々と
まかり通ってきた。政治家も、テレビにボイコットされるのを恐れて批判しなかった。
しかしウェブによって、力関係は大きく変わった。毎日新聞は、こうした地殻変動の最初の
犠牲者にすぎない。メディアが説明責任を果たさないと、これからも広告のボイコットや
消費者集団訴訟などによってメディアを追及する動きが出てくるだろう。(以上)