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終身雇用崩壊で使い捨てになったこととモラルやロイヤリティの相関関係も指摘すべきかと
二条河原の落首になぞらえて言えば「この頃都にはやるもの、偽装、捏造(ねつぞう)、インサイダー、
倫理、コンプラ、第三者」である。目白押しのコンプライアンス違反事件の中でもとりわけプロフェッ
ションによるインサイダー事件の多さが目に付く。
(略)
3Nと呼ばれる3つのインサイダー事件から紹介しよう。
1 日本経済新聞社広告局事件 (略)日本経済新聞広告局の金融広告部員(31才)
2 NHK事件 (略)報道局テレビニュース部制作記者(34才)、岐阜放送局放送部記者
(30才)、水戸放送局放送部ディレクター(41才)(略)
3 野村証券企業情報部事件 (略)M&A担当企業情報部アソシエイトのリーユ(30才)他2名
(略)
これらの事件のほかにも新日本監査法人での会計士(30才)や、宝印刷における未開示資料
取扱担当者(35才、29才)によるインサイダーも発生している。これらの事件の特徴は―
(1)数年以上の社会経験を経た若手・中堅社員が実行している。とりわけ30歳前後の思慮分
別があってもしかるべき世代が圧倒的である。
(2)発覚の危険や自己の将来に対する影響についてまったく考慮しない稚拙で刹那的な犯行
であり、プロ意識と職業倫理が全く欠如している。
ことである。
この世代の特徴は両親がともに団塊の「真性団塊ジュニア」と呼ばれ、大卒時が2000年近
辺の就職氷河期にあたる。このため倫理や職業の原点に対する意識を欠き、小手先の面接
技術や専門知識に偏った就職活動と採用手法に起因する可能性も否定できない。世代差
や文化的背景の多様性の中で善悪の基準すら共通とはいえない人物が大量に登場している。
(略)
これを防ぐ方法は「人事政策」しかないと言われ始めた。大切な情報を扱う部署には単に能力
のみならず職業倫理をわきまえた堅忍不抜の精神を持つ人物を採用し配置するしかない。膨
大な情報が簡単にしかもバーチャルな状態で流通するIT(情報技術)時代だからこそ、逆に人
格と倫理が必要とされるのである。(以下略)URLリンク(markets.nikkei.co.jp)