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最後の打席 地震で行方不明の両親へささげるヒット
岩手・宮城内陸地震で両親が行方不明になっている山形県立金山高の高橋裕二君（１７）が
１３日、全国高校野球選手権記念山形大会に７番捕手で出場。０―１９で敗れたが、
マウンドにも上がり「きっと見ていてくれる」と精いっぱいプレーした。
同県酒田市営光ケ丘野球場の酒田東戦。大量１９点をリードされた５回裏２死。
コールド負け目前で左打席に入った高橋君は、バットを鋭く振り抜き、左前にクリーンヒットを
放った。「好きな野球をやっている方が、つらいことを忘れられる」と、主将としてがむしゃらに
練習した成果を見せられた。
震源地近くの栗駒山に山菜採りに出かけた父伸好さん（５６）と母美也子さん（５１）は
行方不明のまま見つかっていない。両親は練習試合に足を運ぶなど応援してくれた。
地震がなければ、きっと球場に来ていただろう。
本宮康寛監督は「地震後は数日休んだだけで、以前と変わらず主将としての仕事を
してくれた。大変だったと思うが、最後は執念でヒットを打ってくれた」とねぎらった。
部員不足で大会への出場さえ危ぶまれたが、ボートやバドミントン部から「助っ人」を
お願いし、１１人で試合に挑んだ。全員で練習したのは１週間ほどの急造チームで、
春の選抜甲子園に出場経験がある強豪にはかなわなかった。最後の夏が終わり、
気掛かりは両親のことだ。「行方不明のままではいやなので、顔だけでも見たい」と
帰りを待ち続けている。
朝日新聞 asahi.com（高田正幸、柳沼広幸 2008年7月14日11時38分）
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酒田東―金山戦で左前安打を放つ高橋裕二君＝酒田市営
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