08/07/09 17:29:51 2/rfgXCZ0
末期のクリムトやエゴンシーレの絵は、デッサンが崩れ崩壊した茶色の顔をした
人間が、絶望した面持ちで大きく描かれている。
糸のように細い腕、足、一部だけ巨大な指、ケロイドのような肌。
当時の民衆は、これらを退廃的で、美を追求すべき芸術を汚し、
人間性を冒涜する「筆で描いた暴力」だとこっぴどく批判した。
こうした「便所の落書き」は、ナチスの退廃芸術狩りで大々的に取り上げられ、
作者は精神異常であり、犯罪者であると断じて、その作品を炎にくべた。
今その作品は、当時の絶望的な時代を的確に描写した優れた絵画だと評価されている。
しかしナチスが燃やした絵画は、画家の名誉が回復されても再評価されても、二度と戻らない。
中国の焚書坑儒の時代から、書物や絵画、思想、情報を、国や権力者が燃やしたりしたら、
その次には必ず人権を、そして人を、燃やすことになっている。それが歴史の教訓。
「春画」は猥雑で人々の倫理を破壊し、贅沢華美を煽る悪しきものとして、
江戸幕府によって禁止されたが、版元は捕まったが、庶民は捕まらなかった。
自民党、公明党は、そういうことを、これからやろうとしている。