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・五輪開幕まで1カ月となった。日本で合宿を行う国が目立っている。大気汚染や食の安全への懸念、中国国内の
「政治的緊張」など何かと不安のある中国を避ける傾向にあるなかで、時差が1時間で
練習施設が充実している日本は最終調整地にはうってつけ。20カ国以上の選手が日本で
直前合宿を行う予定で、海外勢は日本経由で北京へ乗り込む構図になった。
最大規模の受け入れとなるのが福岡市。スウェーデンの13競技の選手団(約150人)を
受け入れるほか、オランダ陸上チーム約30人も合宿を張る。
スウェーデンは中国と韓国も視察したが、最終的に福岡を選んだ。同市の関係者によると、
「物価は日本の方が高いが、施設が充実しているし、対応もきめ細やかで安心。中国では
レストランに入っても頼んでいないモノが出てくる」などと理由を語ったという。施設の充実
ぶりはもちろんだが、日本の“おもてなし精神”も高く評価された。
北京五輪組織委員会では先月下旬、大会期間中の交通規制の詳細を発表し、排ガス量を
63%抑えられるとして「大気汚染を改善する自信がある」と訴えたが、4月のマラソンテスト
大会では雨中のレースで「ユニホームが黒くなった」などの意見も出た。
こうした懸念は一般にも広がっており、航空便では利用者の減少もあって福岡-北京の
直通便が今月からなくなり、「すべて大連経由の便になった」という。
昨夏に大阪市で行われた陸上世界選手権の直前に日本国内で練習を行い、好印象を持った
“リピーター”の存在も目立つ。フィンランドからは、香川県丸亀市に陸上チーム45人、同県
坂出市にカヌーとボートの10人が訪れる予定。島根県松江市ではアイルランドの陸上チーム
約30人が調整を行う。同国育ちの小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの町で、以前から
交流が盛んだった縁もあるが、世界選手権の際の評価も高かったようだ。
また英国水泳チームも7月下旬から約1カ月間、大阪市で事前合宿を張る予定。中国の不安と
日本の安心は、世界の共通認識となっているようだ。(一部略)
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