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社説:柳沢厚労相 辞任してけじめつけよ 毎日新聞 2007年2月2日 0時44分
柳沢伯夫厚生労働相が「女性は子供を産む機械」と発言した問題で、
野党側は1日も衆院予算委員会の審議を拒否し、国会は不正常な状態が続いた。
安倍晋三首相は柳沢氏の発言を自らも陳謝する一方、辞任する必要はないとの考えを表明し、
柳沢氏も辞任を重ねて否定している。 (中略)
しかし、双方の政治的思惑は別として、改めて考えないといけないことがある。
果たして柳沢氏は厚労相として適任かどうかという問題である。
既に指摘した通り、発言は女性蔑視(べっし)観を思わず露呈したものであり、女性の尊厳を傷つけた。
配慮を著しく欠いただけではない。「(女性という)産む機械、装置の数は決まっている。
あとはひとり頭でがんばってもらうしかない」という発言の根底には、戦前の「産めよ、殖やせよ」、
つまり国のために女性はみな子供を産むのが当然だという考え方があるのではなかろうか。
時代は変わり、子供を産む、産まないは個人の人生観にかかわる選択の問題だ。
産みたい人が産みやすい、そして育てやすい環境をどう作っていくかが今の政治に課せられたテーマなのだ。
それは厚労省も認めているところだ。(中略)
しかも、いくら陳謝しても発言自体は消えない。多くの国民は既に「訂正してみても、あれは柳沢氏の本音」
と感じていることだろう。これでは今後、柳沢氏がどんな少子化対策を口にしても、
国民に対する説得力は持たないのではないだろうか。(中略)
柳沢氏は金融担当相を務めるなど経験は豊富だ。ただ、柳沢氏は昨秋の自民党総裁選で安倍首相の総合選挙対策本部長だった。
安倍首相が厚労相に起用したのは論功行賞の意味があったのは否定できないだろう。そうした経緯からしても首相は素直に
任命責任を認めるべきである。もし、柳沢氏をかばい続けることが、政権の求心力維持につながると考えているとしたら、
それもまた国民世論とずれているということだ。