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半島における地下資源は極めて多種であり、また豊富である。
いま内地に少いか、また殆んど全く産せず、しかも現代科学戦に欠くべからざる鉱
物で朝鮮に多く産するものを挙げると、およそ次ぎのやうなものがある。
鉄、タングステン、水鉛、マグネサイト、霞石(アルミエウム、ソーダ及びカリ
の鉱石)、明礬石(アルミニウム及びカリの鉱石)、礬土頁岩(耐火材またはアルミ
ニウム鉱)、黒鉛、無煙炭、螢石、重晶石、石綿、雲母、藍晶石(特種高級耐火材料)
燐鉱(弗素系の燐灰石)、珪砂(ガラス原料)、各種稀有元素鉱物
これらの鉱物はいづれも優秀な兵器を造り出すため重要な素材となつてゐる。殊
に咸鏡南道のマグネサイトは世界に比類のない優秀な鉱床といはれ、軽金属原料とし
て欠くべからざるものである。また江原道には霞石、京畿道には藍晶石(らんしやうせき)、紅柱石、珪
線石等を産し、朝鮮は世界的に稀な特殊鉱物産地として登場してゐるのである。そ
の他、新鋭武器をつくるに必要な「タンタラム」「エオビウム」「セリウム」「ジルニウ
ム」「べリウム」鉱等の鉱床が各地に発見され、戦前輸入に俟つほかなかつ
たこれらの稀有元素の産地として、朝鮮の地下資源は極めて重要な地位を占めてゐる。
週報434号 「戦ふ朝鮮の姿」 1945.2.21