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■論説：変態新聞とは何事か(1/2)
先ごろ、毎日新聞社の英語版ウェブサイトで日本人を貶めるような記事が
多数配信されていたことが発覚し、多くの批判を浴びている。問題の記事の
ほとんどがタブロイド誌などに掲載されていた性風俗に関わる話題、それも
信憑性が低く日本人の実態とは到底かけ離れた内容について全く裏を取らず
引用したもので、そればかりか、元記事に書かれていない尾ヒレまで付けて
世界中に向け公開していたのだからたちが悪い。
このような記事が配信され始めたのは５年前からとも９年前からとも言われ、
またこのサイトへの毎月のアクセス数が数千万に及ぶこともあったそうだから、
多くの外国人に誤った日本観を抱かせた可能性は高い。事実、英語圏のサイト
ではこれらの記事を引用する形で“日本人の倒錯した性”を論評している例も
数多く見受けられる。一番影響力の大きいところでは、世界中でもっとも多く
利用されているオンライン辞典Wikipediaにおいて、性風俗に関連する項目に
ついてこれらの記事が引用されているのが確認されている。これらのサイトは
（毎日新聞社という）日本大手の新聞社が配信しているがゆえに問題の記事を
信用しているのであり、またこれらのサイトを閲覧した人々へも同様の誤解を
伝播させていくことにもなっている。
この異常事態を受け、日本のネット上では毎日新聞のことを“変態新聞”と呼ぶ
動きが出てきている。これは、問題の記事内容がそのようなものであったこと、
そしてまたそれらの記事が掲載されていたサイトのMETAタグ（サイト開設者が
自ら指定するサイト検索用のキーワード）に“Hentai”という語が指定されていた
こと、に起因するものと思われる。