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「写真の被写体を見つけるのも一苦労で…」。
そう泣きつくと「そうでしょうねえ…」とため息混じりの声が返り、「残念なことに
県内でも都市部を中心に急激に数が減っている」という。
これ、東京・渋谷駅で帰らぬ主人を待ち続けた忠犬ハチ公で知られる秋田犬の話。
日本を代表する犬種が近年、先の大戦以来の危機に陥っているという。その実態とは。(宮原啓彰)
ため息の主は「秋田犬保存会」の長谷部明夫事務局長。保存会は昭和2年、より強く大きな
闘犬を生み出そうと洋犬との交配が進んでいた土着の大館犬(秋田犬)を守る目的で、
ハチ公の古里、秋田県大館市を本部に設立された。
保存会では、純血の秋田犬の犬籍登録業務や品評会「秋田犬展覧会」を開催。
米国や台湾の海外支部を含め国内外に60近い支部がある。
保存会によると、47年度には1万4199人いた会員が、昨年度2815人。
さらに犬籍登録数も47年度の4万6225頭から、一昨年度はわずか2102頭と、
ピーク時の20分の1以下にまで急減しているという。
「秋田犬は顔が洋犬に比べて垢(あか)抜けない感じ」とは秋田市の男性愛犬家(35)。
長谷部さんも「洋犬や小型犬のペットブームに押され、秋田犬の愛好者が減っていることが要因」と話す。
さらに近年の日本の住宅事情の悪化、高齢化や都市一極集中の波が、秋田犬の減少に追い打ちをかけていると指摘。
秋田犬は国内唯一の大型犬。
このため、マンションに住む企業勤めの愛犬家が多い都市部では、秋田犬の飼育に必要な1日2回以上の
散歩時間が取れない上、部屋の大きさなどから敬遠されどうしても室内犬の需要が高くなる。
一方、農村部でも少子高齢化が進み、高齢者だけでは力の強い秋田犬の散歩など飼育そのものが
重労働となり泣く泣く手放す人が多くなっているのだという。(続く)
産経新聞 2008.6.24 02:07
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