08/06/24 12:23:40 BnAcVcqa0
「不真面目(まじめ)な働き者より、真面目な怠け者の方がいい」。そんな言葉があるそうだ。なんのこっちゃと
思ったが、考えてみれば船場吉兆に赤福、居酒屋タクシーのお役人……。最近噴出する問題は、働き者でも、消費
者や国民に対して不真面目な人たちが引き起こしている。
対して「真面目な怠け者」とは? 芸術家や文筆家に研究者、パフォーマーなど文化・学術に携わる人を指す。
怠け者というと語弊があるが、決まった勤務時間があるわけでなく、傍らからは遊んでいるように見えるかもしれ
ないが、芸や作品、おのれの探求心には真面目な人種だ。不真面目な働き者が幅をきかす世の中はご免。真面目な
怠け者は生産的ではないかもしれないが、そういう部分を大事にしない社会は、面白くもなければ潤いもない。
バブルのころ、企業はこぞって「フィランソロピー」と唱え、文化にカネを出し、企業のイメージアップを競った
が、バブルがはじけると、「食うに困るのに文化なんて言ってられるか」とばかり、パッタリとやんだ。
この国はいつまでたっても、文化は経済の従属物でしかないようだ。橋下徹大阪府知事が発表した大阪維新プログラ
ム案は、文化関連予算をバッサリ削る内容だった。
経済と文化は車の両輪。優劣をつけるものではない。
むしろ都市の格や魅力を高めるのが文化だ。大阪の持つゆとりが、数多の文化人や芸術家、学者を生んできたのも
事実。経済合理性ばかりを優先し、
「真面目な怠け者」が息苦しい都市になってしまっては、大阪は大阪でなくなってしまう。
◆ 毎日新聞 大阪朝刊 発信箱:不真面目な働き者より =松井宏員 ◆ 2008年6月21日
(大阪府の借金なんて関係ないって記事)