08/06/22 11:00:06 KAcgV3cY0
私が外務省にいた時から、捕鯨問題は日本外交の大きな頭痛の種であった。
外交一元化を主張する外務省であるが、最近の日本外交は、外務省の一存で決められるものは殆どない。
それどころか、多くの重要な外交案件は、それぞれを主管する国内官庁が主導権を握っている。
捕鯨外交もその典型だ。
捕鯨にこだわって日本は国際的に悪者にされてきた。こればかりは外務省と言うより農水省が全面的に主導権を握って行われてきた稚拙外交の結果である。
おまけに調査捕鯨と偽って、その実、商業捕鯨まがいの事を外務省は追認させられてきた。
なにしろ国際法を遵守すべき立場にある外務省の条約局長が、外務省の幹部会で、わが国は国際条約違反をしている、と認めているほどである。
断っておくが、私は日本の捕鯨を目の敵にする欧米の反捕鯨団体に加担しているのではない。
また、動物愛護の観点から、日本の捕鯨だけが特別の批判を受ける筋合いはないと思っている。
しかし、捕鯨問題は、単なる経済問題にとどまらず、政治的、文化的、さらには宗教的要素まで絡んだやっかいな問題である。
議論で片付く問題ではない。
だからこそ、商業捕鯨にこだわるあまり失う日本の国際的イメージの大きさを考えた時、農水省主導の捕鯨外交は、決して外交的に得策ではないと考えるのだ。
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