08/06/19 22:25:24 hfR1EWrb0
>>930
確かにそうだね。
だだ流しのサスペンスなんかよりは、強い印象を与えるかもしれない。
それは強い印象を与えるシーンを出して無理やり残虐趣味を満足させるようなものではなく、
テキストとしての魅力、イコンとしての力が、視聴者の想像力をくすぐるためだ。
ただ、古典や詩歌に残虐な内容がないというのは、まったくお話にならない。
古典作品なんか、残虐シーンだらけだぜ。
親殺し、子殺し、神殺し。食人から淫乱、陵辱に虐殺。
古代や中世なら、残酷さを意識していないから、まだ罪が少なかったといえるかもしれない。
近代における古典は、あえて反社会性や残酷さをむき出しにする作品だって少なくない。
単に印象の薄い、残酷なだけのシーンを流し見するのと、
古典にせよなんにせよ、残酷さの中にこめられたメッセージを、
テキストとして反復・解釈し、さらに拡張して新しい作品世界を作っていく作業と、
どちらのほうが人間の精神にとって創造的か、考えてみれば誰でもわかることだ。