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(略)97年の橋本・財政構造改革は製品市場の規制緩和と「小さな政府」を目指した。01~
06年の小泉構造改革では、改革の刃はついに土地、資金、雇用という資源(生産要素)市
場の規制緩和にまで及ぶ。大企業は労働基準法「改正」で解雇しやすくなり、労働者派遣法
「改正」で非正社員を安くどこでも雇えるようになった。一方、金融ビッグバンにより人件費を
安く上げない企業は買収圧力を受けるようになる。かくして利益は配当と企業貯蓄に回し、
賃金は増えるどころか下げられた。賃下げにより2%の実質成長率のもとで大企業が史上
最高益を更新し続けるというマジックが実演された。景気回復下の賃金下落、貧困家庭の
急増という未曽有の事態が広がったのだ。それだけではない。政府はライフサイエンスやIT
産業など「成長分野」を支援し、景気さえ回復すれば甦る可能性のあった企業を不良債権
処理と称し倒産させた。どこが「市場化」か、社会主義もびっくりの計画経済である。まさに
構造改革とは、「強きを助け弱きをくじく」政策であった。
(略)
呆れるのは、「財政赤字の解消」を唱えた橋本改革以降、逆に赤字の累積スピードが加速
して、十年で倍増したことだ。企業への減税や高額所得者への減税、株からの配当や値
上がり益への課税率を下げたため、税収が急落した。その落ち込みは「暮らし」に振り向け
られた。公共サービスと社会保障費の削減、中・低所得層への負担増である。それでも賄
えずにずるずると国債を発行し続けたのだ。そもそも97年頃には先進国中最善の水準にあっ
た債務を「累積赤字」と言い立て、それでいて国の正味資産を食い潰させたのであるから財
務省の責任は重い。
(略)
「暮らし」の背景には、社会や文化・政治がある。経済循環の「環」が切れることにより、経済
以外の要素が荒廃することこそが懸念される。荒廃は、すでに身近に迫っているのかもしれ
ない。格差への恨みを理由として、無差別殺人を企てる者さえ現われたのだから。(抜粋引用)
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