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・東京・秋葉原で8日、1人の青年が一瞬のうちに7人もの命を奪った無差別殺傷事件。
衝撃的なこの事件について、ポストモダン思想からオタク文化まで、幅広い表現活動を
展開する批評家の東浩紀氏(37)に寄稿してもらった。
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去る8日、買い物客と観光客で賑(にぎわ)い、アニメ・ゲーム文化の中心地である
東京・秋葉原で残虐な事件が起きた。死者7人を出した無差別殺傷事件である。
筆者は一報を自宅でネットで知った。第一印象は「ついに起きたか」だった。
むろん、事件発生を予想していたわけではない。しかし最近の秋葉原については物騒な
報道が相次いでいた。パフォーマンスが過激になり、規制強化が囁(ささや)かれていた。
他方で若い世代のあいだでは、日本社会への絶望や不満が急速に高まっていた。昨年の
論壇の話題は「希望は戦争」と語る若手論客の登場だった。そして、アキバ系と言われる
若者文化の担い手と、絶望した労働者やニートの層は、意外と重なっていた。
◆象徴的な土地
つまりは、いまや若者の多くが怒っており、その少なからぬ数がアキバ系の感性をもち、
しかも秋葉原が彼らにとって象徴的な土地になっているという状況があった。したがって、
その街を舞台に一種の「自爆テロ」が試みられたという知らせは、筆者にはありうることだと
感じられたのである。
筆者はいま「テロ」という言葉を使った。多くの読者は違和感をもつだろう。テロといえば
普通は、何らかの政治的主張を伴った、強い信念のもとでの行動を意味する。今回の凶行に
そんな主張があったのか、と。
確かに通常の意味での政治的主張はない。容疑者はネットに大量の書き込みを残している。
そこには身勝手な劣等感ばかりが綴(つづ)られている。社会性のかけらもないように見える。
(>>2-10につづく)
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