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日本の制度、世界的には非常識…派遣残酷物語
派遣社員という隠された「格差社会」。派遣社員から「もう生きていけない」など多数の相談を受けている
「派遣ユニオン」書記長の関根秀一郎氏は「派遣が絶望の温床となっている。このままでは、ほかにも
許されないことを考える人が出てきても不思議ではない」と警鐘を鳴らす。
関根氏は「彼(加藤智大容疑者)のような行為は絶対に認められない」としながらも「誰でも希望が
持て壊したくないと思うような将来が見えれば、あのようなことはしない。いつクビになってもおかしくない
今の派遣労働者に将来を考える余裕はない」と語る。
関根氏の元に駆け込んできた1人は仕事中に指を骨折したが、「辞めたら食べていけない」と骨折したまま
1カ月間働き続けて指がパンパンに腫れ働けなくなった。「労災隠しなんて頻繁にある」(関根氏)。
派遣問題に詳しい龍谷大学の脇田滋教授も「日本では派遣元が企業に、正社員1人のコストで
2人使えるなどと売り込んでいたりする。ほかの国では『同一労働同一待遇』が原則で、派遣の差別待遇は
禁止されているのに日本の常識は世界の非常識だ」と指摘する。
日本では「身分が下の労働者という意識もある」といい、正社員がいじめて暴力までふるった派遣社員を、
派遣元が守らずに「一緒になっていじめた」ケースや暴力団のクレーム処理を押しつけられた派遣の女性が
自殺するなど悲惨な話も後を絶たないという。
脇田教授は「1986年に労働者派遣法が施行されて以来、国は規制を緩和し続け、こんな状況を放置、容認してきた。
防ぐには仕組みを変えないといけない」と語る。関根氏も「法律を見直して、絶望的な働き方はなくさないといけない」と訴えている。
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