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国際的な資源獲得競争のなかで、日本では原油や食料価格の高騰ばかりに
目が向いているが、国際的には肥料も同じように重要視されている。
「米国地質調査所が戦略的物質として位置づけた8つの資源のうち、6つは金や銅などの
メタルだが、残り2つは肥料に必要なリン鉱石とカリウム」と、
資源問題に詳しいジャーナリストの谷口正次氏は説明する。
中国に限らず、中国に並ぶ世界最大のリン鉱石の生産国である
米国はすでに輸出を禁止している。ロシアなどでも産出されるが、
国際的に品薄状態が続いており、すでにリン鉱石、窒素、カリウムは、
ここ数年で2~5倍も価格が上昇している。
今後、さらに入手困難になれば、中国や米国以外の国も自国の農業のために
禁輸措置に動く可能性もある。そうなれば、日本の農業は窮地に立たされる。
40%以下と先進国のなかで最悪の食料自給率を少しでも高めようと、農林水産省は、
後継者不足の解消、減反政策の見直し、企業への農業の開放などさまざまな
政策を打ち出そうとしている。だが、肥料がなければ国内農業生産増大は望むべくもない。
中国産ギョーザに農薬が混入されていた事件以降、安全性を気にする
消費者のあいだでは国産の食品に対する人気が高まっていた。
しかし、中国からの肥料がなければ、食べるもの自体がなくなるかもしれない。
それが日本の現状なのだ。(終)