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「ドカンッ、ドカンッ」
東京都日野市の男性会社員（４８）の背後で、すさまじい音が響いた。振り向くと、歩行者天国の切れ目の
交差点に突っ込んできた２トントラックが、次々と歩行者をはね飛ばしていた。
悲鳴が起きた。路上に靴や雨傘が散乱した。写真撮影に来ていた無職男性（３４）はその一瞬、交差点が
「真空状態」になったように感じた。
新宿区の自営業男性（５７）は、交差点を５０メートルほど行き過ぎて止まったトラックから、ベージュの
スーツを着た男が降りてくるのを見た。手にナイフを握っていた。男は近くにいた男女数人を次々に刺すと、
人をはねた交差点に向かって駆け始めた。この現場で、亡くなった武藤舞さん（２１）が倒れたとみられる。
トラックになぎ倒された人たちに警察官たちが駆け寄った。近くの飲食店の従業員（４２）は、警察官の脇腹
に男がナイフを刺すのを見た。崩れ落ちる警察官のわきに、みるみる血が広がった。
タクシー運転手湯浅洋さん（５４）も脇腹を刺されて重傷を負った。勤務先によると、湯浅さんもはねられた人
を介抱していて刺されたという。
男は、倒れた人たちの上に馬乗りになり、逆手に持ったナイフを何度も振り下ろした。あちこちで人が切られた。
[朝日新聞]2008年6月9日19時5分
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