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脳波でネット上キャラクター操作/慶応大が新技術
慶応大学理工学部生命情報学科(横浜市港北区)専任講師の牛場潤一さんが、
インターネット上の三次元仮想世界(セカンドライフ)内に作成したキャラクター
(アバター)を脳波で操作する技術の実証実験に成功した。肢体不自由者を対象に
セカンドライフ内での買い物など実用化を目指す。
七日開催された同学部の第十七回市民講座で、牛場さんが報告した。
実験は今年五月、筋疾患のため移動に車いすを使用している男性(41)の協力を得て、
三回実施した。東京都内の男性宅からセカンドライフにログインし、
約一時間半にわたりアバターを操作。同大の学生が操作するアバターと会話した。
肢体の不自由な部位や程度が、操作に影響することもあり、
現在新たに脊髄(せきずい)損傷の患者二人の協力を得て、実験を行っている。
当面可能な操作範囲について牛場さんは、「セカンドライフ上のショッピングモールで、
買い物ができるレベルに向上させる」としている。
同技術では、人の頭部に電極を取り付け、運動機能をつかさどる能細胞が発する、
電圧(脳波)を読み取る。機器を通じ脳波の運動意図を分析、データ化し、
「キーボードの上向き矢印キーを押す」などの信号としてパソコンに出力。
セカンドライフ内のアバターを操作する。
牛場さんは、コンピューターなどの機器を通じ、脳と義手をつなぐなどの
ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)研究を進めている。今回報告した技術開発も、
BMI研究の一環。米国では、脳内に電極を埋め込み、脳波による操作を行う技術が主流だが、
「感染症の心配がなく、家電のように使いたい時だけ使う方法を探った」という。
福祉機器を扱う国内メーカーなどとビジネス化へ交渉を進めているが、少量生産の場合、
機器の価格が上がり、障害者への普及の面で壁となるため、健常者向けの展開も目指す。
神奈川新聞 2008/06/07
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