08/06/06 20:33:29 0
飛行機も年を取ると、その表面にはやがて小さな穴やひびが現れてくる。
整備士は、定期的な保守点検でそうした問題を巧みに見つけ出すが、
英国で開発中の、生物の自然治癒を模倣した技術を利用すれば、自己修復する飛行機が生まれるかもしれない。
英国工学物理研究会議(EPSRC)の研究者は、負荷がかかったり、傷がついたりしたときに樹脂成分を「出血」し、
その後「かさぶた」を生成して傷を修復する複合材料を開発している。
これは、飛行機の安全性を大きく向上させ、飛行機の軽量化に向けた技術開発を促進し、
バイオミミクリー(自然界のデザインから学ぶ科学)を航空業界に応用する可能性のある、革新的技術だ。
「このプロジェクトはその第一歩を示しているにすぎない」と、今回の研究を率いている航空学専門のIanBond博士は言う。
「われわれの開発しているシステムには、修復成分を個々のガラス繊維に含ませるだけではなく、
ちょうど動物や植物に見られる循環系のように、血管状のネットワークの中をめぐらせるというものもある。
こうしたシステムにすれば、修復成分のみを補充あるいは交換することで
使用期間中ずっと、構造を修復できるようになるだろう。
Bond博士が英国のブリストル大学で開発した自己修復プラスチックを支える原理は、これときわめてよく似た手法だ。
この複合材料は、中空部分がエポキシ樹脂で満たされた繊維からできている。
穴や割れ目ができると、この樹脂が漏れ出してその穴をふさぎ、強度を元の80~90%まで回復させる。
このエポキシには色が付けられているため、整備士があとで簡単に修復箇所を見つけ出して本格的な修理ができる。
飛行中に受けたちょっとした傷(ここで問題としているのはわずかな裂け目や割れ目のことで、
大きな穴ではない)であれば、小さな傷の出血が止まるくらいの時間で修復される。
自己修復が実現すれば、繊維強化ポリマーの信頼性と安全性が全体的に高まり、
その結果、繊維強化ポリマーがアルミニウムの代用品としてさらに受け入れられるようになるだろう。
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