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遺伝子からみた東ユーラシア人
斎 藤 成 也
国立遺伝学研究所教授。総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻教授。
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授。
URLリンク(www.geog.or.jp)
今度は日本列島の人類集団を中心に考えてみよう。
(中略)
ここでは血液型8種類,赤血球酵素7種類,血清タンパク質6種類,その他の遺伝子4種類の
合計25遺伝子の遺伝子頻度データを用いて遺伝距離を計算している。
その結果,アイヌ人が他の集団から離れてはいるものの,琉球人と結びついて,ひとつ
のグループを形成している。この結びつきの強さを統計的にあらわす「ブーツストラップ
確率」は85%であった。このことは,アイヌ人が独特な遺伝的特徴を濃く残しているのに
対して,遠い過去には共通性の高かった沖縄人が,弥生時代以降の九州からの移住によって,
本土日本人と遺伝的にずっと近くなった,ということを示唆している。さらに本土日本人
の位置そのものが,韓国人を代表とするアジアの人類集団からの影響を強く受けているこ
とを示している。 言語であるという認識が一般的である。
この結果は,明治時代にベルツが唱えたアイヌ=沖縄同系論に端を発し,埴原和郎によ
って提唱された「二重構造説」(Hanihara, 1991)を支持すると読みとることができる。