08/06/05 09:42:30 Es9V6XE90
マスコミ業界の世界的な中心地であるアメリカでは、マスコミは、
開戦後に戦争に協力するだけでなく、政府による戦争開始の策動に協力してきた。
アメリカのジャーナリズムの賞として世界的に有名なものに「ピューリッツァ賞」があるが、
この賞を作った「ジョセフ・ピューリッツァ」は、1898年にアメリカとスペインの戦争(米西戦争)が始まる原因を作った人である。
米西戦争は、当時スペイン領だったキューバに停泊中のアメリカの戦艦メーン号が
何者かによって爆破沈没され、これをピューリッツァの新聞「イブニング・ワールド」などの
アメリカのマスコミが「スペインの仕業に違いない」と煽り、
開戦に持ち込んだ戦争である。メーン号が沈没した理由が、故障による自損事故だったことは、後から判明した。
この米西戦争開始の経緯を見ると、アメリカのマスコミが政府の肝いりで
「イラクは大量破壊兵器を持っているに違いない」と煽って開戦に持ち込み、
後で、実はイラクは大量破壊兵器を持っていなかったことが分かったという、
105年後の2003年に起きたイラク侵攻と、ほとんど同じだ。
ピューリッツァとその後の同志たちが巧妙だったのは、自分がやっていた扇動ジャーナリズムを、
洗練された知的で高貴な権威あるイメージに変えることを企図し、成功したことである。
ピューリッツァは、ニューヨークのコロンビア大学に巨額の寄付を行い、ジャーナリズム学科を創設した。
今では、コロンビア大学のジャーナリズム学科は、ジャーナリズムを学ぶ場所として
世界最高の地位にあり、ピューリッツァ賞は、世界最高の賞となっている。
「ジャーナリスト」は、世界中の若者があこがれる職業になった。
しかし米西戦争からイラク侵攻まで、「人権」などの一見崇高なイメージを使って
敵方の「悪」を誇張し、自国にとって有利な戦争を展開することに協力している
アメリカのマスコミのやり方は、巧妙さに磨きがかかっただけで、本質は変わっていない。