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★「タスポ貸します」…売り上げ苦戦のホテルや居酒屋
たばこの自動販売機で成人認証を行うICカード「タスポ」が導入された地区で、
カードを客に貸し出す店やホテルが出始めた。申し込み手続きの煩雑さから
普及が伸び悩む中、自販機でたばこを買えない客に配慮した“苦肉の策”。
発行元の日本たばこ協会(東京)はタスポの貸与を禁じているが、同協会加盟の
メーカー「日本たばこ産業」(JT)は「貸す時に相手が成人かどうかがわかるので
問題ない」としている。
5月に導入された徳島県小松島市にある居酒屋では、店先の自販機の側面に
「タスポ、お貸しします」と書いた紙を張った。
導入後、月50万~60万円あった売り上げは6万~10万円に激減した。電気代
などの経費を引くと利益は月に数千円しかないという。男性店長(62)は「売り上げ
が落ちたので、JTの営業マンから指南された。身分証明書などの提示は求めない
が、未成年には貸さない」と説明する。
宮崎市内のリゾートホテルでは、タスポが導入された3月1日から、客に従業員の
タスポを貸し出している。フロントと入浴施設の2か所に1枚ずつタスポを置いており、
貸し出す際にはスタッフが成人かどうかを判断し、自販機まで同行しているという。
同ホテルの担当者は「規約で貸し出しが禁じられていることは知っているが、
タスポが導入されていない県外の客も多く、要望があれば断れない」と話す。
タスポは7月1日以降、運用が全国に広まるため、このホテルでは6月末までは
貸し出しを続ける方針だ。
こうした動きに日本たばこ協会は弱り顔だ。「タスポの趣旨に反している。未成年者
喫煙防止法に抵触する恐れがあり、やめてほしい」と訴える。
これに対し、JTは「タスポの普及は伸び悩み、個人商店では死活問題になっている。
年齢を確認した上で貸し出すのは対面販売と何ら変わりないはず」(IR広報部)と
反論している。
(2008年5月31日 読売新聞)
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