08/05/29 17:54:41 s5IOvslF0
性暴力へのアプローチ(瀬地山角:東京大学大学院総合文化研究科助教授 社会学・ジェンダー論)
戦後日本の強姦の認知件数(警察が犯罪として認知した件数)を調べると、
1964年に6857件とピークを迎えた後、徐々に減り続け、
1983年以降2000件を切り、1996年には1483件となっている。
被害者が強姦を告発する抵抗感は、昔と比べれば強まっているとは言い難いので、
実質として強姦件数は「著しく減少した」といえよう
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この強姦認知件数(1996年の件数)を外国と比較してみる。
日本の認知件数を1とすると、アメリカは29と異様に多いが、
元来アメリカの犯罪の多さは特異なもので、比較対象としては不適切である。
そこで韓国や台湾のように、日本より性に対する規制が厳しい国や、
ニュージーランドのように治安の良い国と比較する。
すると日本を1とした場合、韓国は9.3、台湾は3.5、ニュージーランドは6.3であることがわかった。
~中略~
これらのことから「日本の強姦の発生率は1960年代前半をピークに低下し」、そして
「日本の強姦の発生率は、単に報告率が低いという事実にとどまらず、実際も諸外国と比較して顕著に低い」と考えられる。
そこで次のようなことが推測できる。
「ポルノグラフィーが強姦を誘発するといった、仮説を日本で検証することはほぼ不可能だということ」である。
1970年以降、日本では他国に比べ、性表現や性行動に対する規制が緩やかになりつつある。
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そのことはポルノグラフィーについても同じことが言える。それにもかかわらず強姦は減少しているのだ。
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ということから、ポルノグラフィーを見ると強姦を誘発すると言われたりもしていたが、それは根拠がないのではないかと
むしろ「性に対する自由度の増大は性犯罪の減少をもたらした」とも言えるかもしれない。