08/05/25 18:46:55 64goBcmn0
「多くの国々が陥るナショナリズムの罠」 松本健一
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(抜粋)
一方の中国も、自らアジアということを主張するようになったのは、第二次大戦後、
周恩来さんのときからです。もともと中国という国は、自分たちをアジアとはなかなか
認めようとしませんでした。 1907年に亜州和親会という会合が東京でありましたが、
そのときには、章太炎さん以外の中国人のほとんどは これに加わりたくないと
言っていたわけです。なぜならば、「我々中国は中華である」という考え方だからです。
中華の外側に西洋があり、東洋がある。中国が東洋というふうに自らを意識したという
歴史は非常に浅く、薄いのです。
ですから、明治の頃までのとらえ方では、世界地図を書いた場合に、中国のところに
中華と書いてあり、ヨーロッパのところの海には西洋、日本のところの海には東洋と
書いてあるわけです。我々は、明治以来、パシフィックオーシャン、太平洋と呼んで
おりますが、中国の伝統的な地図の中では、これを大東洋と呼んでいた。
そして、大東洋の海の中にある日本だから、日本のことだけを東洋と呼ぶという
伝統的な意識があったわけです。