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◇睡眠は4時間
10代後半の男性は東南アジアで生まれ、家族で日本に来た。
ホスト時代に知り合った客からもらう金で、主にネットカフェで暮らしている。
定時制高校に進学。ラーメン店やゲームセンターなどでアルバイトをし、「食費も自分で稼いだ」。
父は自動車製造会社でショベルカーを作っていた。家族で食事をとったことも「ないですね」。
高校を中退し親のつてで工場に就職したが、重労働で辞めた。家に入れてもらえず、
近くのコンビニで頼んで働かせてもらった。その時の店長が「一番信頼できる人」と話す。
ホストクラブでは午後9時には出勤し、閉店は午前8時。睡眠は4時間。初任給は月3万円で、
2カ月目は10万円だった。毎日飲む大量のアルコールをトイレで指を使い吐いた。
顔色を隠すためファンデーションを塗ったことも。体がしんどくなり2カ月で辞めた。
野宿はしたことがない。「そこまでは落ちたくない」と話した。
◇NPO聞き取り、大市大が報告書
調査は昨年6~12月、大学の研究員ら延べ約400人が行い、
大阪市立大学大学院創造都市研究科が
298ページの報告書にまとめた。深夜営業店の利用者65人の中心は20~30代で、
寝泊まりの場所としてネットカフェの他にファストフード店、サウナ、カプセルホテル、
友人宅、路上などを挙げた。
仕事の経験では、派遣会社の紹介は交通費や作業着などを自己負担させられ、
住居付きの職場は寮費や布団代などを差し引かれ、結局お金が残らないと多くの人が訴えた。
「住民票がない、住居がない、仕事がない、
何を優先すれば安定した生活が送れるのか分からない」と悩む声も。
結果をまとめた島和博・同大学院教授は「社会の最下層に貧困が貧困を生む仕組みがあり、
若年層や特殊な地域に限られた問題では済まなくなっている」と指摘している。(終)