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「日本人」として処罰されたのに、戦後差別的な扱いを受けてきた朝鮮半島や台湾出身の元BC級戦犯。
何の補償もなかった彼らに、特別給付金を支給するための議員立法案が今国会にも初めて出される。
法廷で訴え、敗訴後も続けてきた関係者の活動に光があたり始めている。
法案は民主党の泉健太・衆院議員(33)らが提出を検討している。
朝鮮半島や台湾出身の元BC級戦犯や遺族に対し、「人道的精神に基づき」1人あたり300万円を支給することが柱だ。
日本人の元BC級戦犯や遺族には、恩給や援護法による給付金が支給されるが、
政府は「日本国籍ではない」として対象から排除してきた。
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の会「同進会」の李鶴来(イ・ハンネ)会長(83)=東京都=らが国に補償と謝罪を訴えてきた。
泉議員が李さんと初めて会ったのは03年。1枚のビラに目がとまり、話を聞いた。
日本兵の遺骨収集団に参加したこともあったが、李さんのような存在は知らなかった。
「国会は正面から取り組んでこなかった」。党派をこえて賛同者を広げたいという。
李さんは、17歳だった42年夏に朝鮮半島から「徴用」され、タイの捕虜収容所で監視員を務めた。
衣食住も薬品も欠乏した過酷な労働環境で、上官の命令は絶対だった。
戦後、捕虜を虐待したとして現場監視員が連合国の軍事裁判で訴追され、李さんも死刑判決を受けた。
減刑され、東京・巣鴨刑務所から釈放されたのは敗戦の11年後。
援護策はなく、自殺した仲間もいる。韓国に戻っても「日本軍に協力した」と白眼視されるため、異郷での苦しい生活を強いられた。
(続く)
朝日新聞 社会 2008年05月19日00時04分
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