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・信じられない事態だ。犠牲者が5万人にのぼる恐れもある中国四川大地震で、外国として
初めて日本の国際緊急援助隊が被災地入りしたが、中国のネットが「ありがとう、日本!」の
書き込みであふれたのだ。チベット問題での国際的孤立から日本重視に移りたい政府。
アニメなど日本文化の大量流入で「親日」の土壌があった民衆。だが、お互いにそれを表明
することは「売国奴」を意味し、最大のタブーだった。それが未曾有の震災によって「反日」の
壁が崩れ、歴史が動いた。
≪私は日本人が嫌いだった。かつて無数の中国人を殺した。でもそれは前の世代のこと。
援助隊は人数こそ少ないが私はとても感謝したい。中日の永遠の友好関係に発展することを望む。
日本の友よ、ありがとう≫。中国のニュースサイトへの書き込みだ。
東京消防庁ハイパーレスキュー隊や海上保安庁特殊救難隊で構成された援助隊は16日
未明に空路、四川省成都に入り、午前のうちに北に400キロの被害が激しい青川県に入った。
「雨が降って水分があるので、生存者がいると信じている。地獄の状況だと覚悟している。1人でも
多く救いたい」と隊員は語った。
72時間という生死を分ける目安の時間を超えての投入となるが、ハイパー隊は3年半前の
新潟中越地震でがけ崩れ現場から皆川優太君=当時(2)=を地震発生から93時間ぶりに
助け出した実績があるだけに中国側の期待も高い。
中国メディアは援助隊到着前から「阪神大震災などで豊富な経験があり、世界最先端の
機器を携えやってくる」と大々的に報道。≪ただ、ただ、感謝している≫≪なんでもっと早く
呼ばなかった。彼らの経験はすごい≫≪ずっと日本に偏見があったが、日本人はいい人だ≫と
ネットの書き込みが相次いだ。
騒ぎには予兆があった。地震直後から中国人の間で「なんで経験豊富な日本の部隊に
派遣を要請しないんだ」という声が出た。日本が5億円の支援を表明すると「もう歴史なんて
言い出すべきじゃない」「未来志向だ」との意見まで出た。(>>2-10につづく)
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