08/05/16 04:55:07 BOKOpGwe0
ミトコンドリアDNA分析(母系遺伝)では、日本人を構成する系統は大体2種類に分けられ、
しかもその一つはアジア系ではなく、むしろアフリカ系に近い、
アジア系とは非常に異なるDNAが含まれていることが明らかになった。
(Y染色体の遺伝子がほとんど機能を持たない形式的な”しるし”であるのに対し、
常・X染色体の遺伝子は、人種の形質に大きな影響を与える。)
一方、父系遺伝するY遺伝子のDNAには、さらに明らかな大きな特徴があることが判明している。
旧石器時代(?)にシベリア経由で北海道に来たC3系統(中央・北アジア系)、
縄文時代(?)に華北・朝鮮半島経由で来たD2系統、
弥生時代に同じく華北・朝鮮半島経由で来たO2b、O3系統(東アジア系)が、
北海道(アイヌ)から沖縄島までの日本列島のヒト集団を形成したと考えられる。
日本列島のDNAは、このD、O系統でほとんどを占め、D2の割合は半分弱にも達する。
D2は日本列島にまんべんなく分布し、特にアイヌ人には9割近くも集積している。(本土の山間部にもやや多い。)
大陸からの弥生人が流入した地点の九州では若干少ない。
沖縄島では若干多いが、それよりも南の八重山諸島にはD2は無い。
このD2系統には、特徴的な変異:「YAP」(ヤップ)とよばれる挿入部分(300塩基)をもち、
これは D、E系統のみに含まれ他には存在しない。
E系統は、北・西アフリカ、ナイル川沿い、地中海沿岸などのアフリカ・中東に広く分布し、
ナイジェリアにその祖型(DE*)があるという報告がある。
そこからかなり昔に分岐したD系統は、現在、日本とチベットのみに著しい集積が見られ、
他の地域では非常に少ないか全く無い。