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■石油高騰の謎
アメリカ連邦議会上院で、原油市場に対する投機資金の規制を強化する
「石油取引透明化法」(Oil Trading Transparency Act)が検討されている。
法案は、2人の民主党議員が提案している。
国際石油価格はアメリカの代表的な原油であるウェスト・テキサス・インターミディエイト原油(WTI)
の石油先物の価格で決まる。WTIの先物は、ニューヨーク商品取引所(NYMEX)
に上場しているが、同じ先物商品は、ロンドンにあるICE(Intercontinental Exchange)
という企業が運営するネット上の先物取引市場でも取り引きされており、
アメリカのヘッジファンドや投資銀行は最近、ニューヨークのNYMEXだけでなく、
ロンドンのICEを通じて、さかんにWTI先物を買い、原油価格を高騰させている。
NYMEXはアメリカの市場なので、そこでの先物取引は、
米政府の商品先物取引委員会によって監視され、投機的な行為は取り締まられる。
だがロンドンのICEは、外国の民間企業による相対取引の市場なので、
米政府の監視の枠外にある。
投機で原油をつり上げたい米投機筋(ヘッジファンドや投資銀行)は、
ロンドンのICEで先物を売買し、米当局の目を盗んで意図的に原油価格をつり上げ、
ぼろ儲けしており、規制が必要だ、というのが2人の上院議員の法案提出の理由である。
米議会上院ではすでに、2006年6月に作られた報告書で
「投機資金は2000年から原油先物相場をつり上げている」
「WTIの先物取引の30%はロンドンICEで取り引きされている」と指摘されていた。
しかし、米政府は上院報告書をほとんど無視し、何の対策もとらなかった。
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