08/05/15 12:16:31 0
◇「基地の街」問い直す時
戦争になっても敵国から攻撃を受けないよう、自治体が名乗りを上げる「無防備地域宣言」。
宇治市で昨年、機運が高まり、条例制定を目指す署名活動が行われた。
宣言した自治体は、ジュネーブ諸条約などに基づき、兵器の撤去などを条件に
敵の攻撃を受けないとされている。無防備地域宣言運動全国ネットワークによると、
これまでに京都市など22自治体で条例案が直接請求された。
いずれも議会で否決されたが、4月下旬から兵庫県尼崎市と川崎市でも
新たに署名活動が始まるなど盛んになりつつある。
宇治市には陸上自衛隊大久保駐屯地、宇治駐屯地がある。中心となった
「平和・無防備地域をめざす宇治市民の会」(奥森祥陽事務局長)の条例案は、
市の責務として「既存の軍事施設の撤去・廃止の実現に努める」と明記。
撤廃後の大久保駐屯地を福祉ゾーンなど四つに分けて市民生活の場とすることを提案した。
昨年4月27日から始めた署名活動では、市民から「街の真ん中に基地があるのは
当たり前のことではない」といった声が聞かれた。また、自衛隊員の家族の中にも
「イラク派遣はおかしい」「戦争には反対だ」として署名に協力してくれた人もいたという。
結局、条例制定の直接請求に必要な有権者の50分の1(3063人)の
2倍近い5966人の有効署名が集まった。
昨年8月2日の臨時市議会。久保田勇市長は「自衛隊施設は復興支援や
国連平和維持活動に力を発揮し、地域社会の一員として大きい」との意見書を付託し、
条例は必要ないとした。議案は社会議員団2人が賛成しただけで否決された。
だが、活動が無駄だった訳ではない。奥森事務局長は「署名活動を通じて、
市民福祉が足りないなどの声が聞こえてきた。市民が当たり前のように思っていたことに対し、
違う考え方があることを知ってもらうきっかけにもなった」と振り返る。【藤田健志】=おわり
毎日新聞
URLリンク(mainichi.jp)