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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成20年(2008年)5月16日(金曜日)
増派兵士五万のうち、三万人はダムの決壊防止目的である
都江堰上流の紫坪舗ダムが決壊すれば、都江堰市一帯は水没の懼れ
四川省大地震の被災現場へ人民解放軍の増派兵士五万のうち、じつに三万人は犠牲者救助目的では
なく、ダムの応急工事と決壊防止のために派遣されたとNYタイムズが伝えた(15日付け早版)。
またプルトニウム型核兵器製造工場が付近にあり、被災状況は機密扱い。この核兵器工場にも部隊
は急派された。
落下傘降下のための空挺団は豪雨をついて、文川周辺に落下を強行したが、四名が死亡、十名の兵
士が行方不明と多維網が伝えている。
人民日報は四川省全体で51のダムが亀裂を生み、いくつかが危険だと認めた。
また人民日報ネット版5月15日付けは、
「紫坪舗ダム、都江堰下流、成都平原の安全の確保を目標に、紫坪舗に現場対策指揮本部を設置した
。 都江堰水利施設は紫坪舗ダムの下流に位置するため、紫坪舗ダムに安全上の重大な問題が生じた
場合、都江堰水利施設と都江堰市も水没の危機に瀕する」
としている。
この紫坪舗(ジーピンプ)ダムは建設に多くの環境保護団体が反対し、国連でも問題か、世銀は融資
しなかった。数年前から曰く付きのダムである。
博訊新聞網(5月15日)は、それどころではなく、紫坪舗ダムはすでに発電施設はすべて機能停
止、ダムに亀裂が入っており、避雷針は倒壊している。
中国の著名な地震学者・氾暁針は、「紫坪舗ダムは極めて危険、上流に余震が続いて山崩れ、土石流
などが起これば二週間以内に亀裂が膨らみ、ダムは決壊する懼れがある」と警告している。