08/05/13 17:18:05 0
・デジタル放送のテレビ番組を録画する際の消費者の不満を、軽視してはいないか。
たった1回しかできなかったDVDへのコピー回数を10回まで増やす「ダビング10」の
実施が、6月2日の開始予定日を目前に、暗礁に乗り上げそうな情勢だ。
番組にかかわる著作権料の徴収制度に機器メーカーが反対しているためだ。この問題を
検討している政府の委員会でも、メーカー側の頑固な姿勢が目立つ。
すでにメーカーは「ダビング10対応」をうたった録画機器を数十万台販売している。コピー回数の
制限緩和も、メーカーとテレビ局が作るデジタル放送推進協会が決めたものだ。約束を守れなくても
責任はない、とメーカー側は言い切れるだろうか。
ダビング10の導入は昨年夏、放送事業を所管している総務省の委員会で決まった。
デジタル技術なら、ほぼ完全な番組のコピーができる。映像や音声はぼけない。コピーは
1回という制限は、最新の技術から著作物を守る目的だったが、消費者からは不便だとの
声が出ていた。
この委員会は同時に、番組制作にかかわるテレビ局などにも配慮し、制限緩和に伴う
著作権料の徴収制度作りを前提条件とした。
これを受け、著作権法を所管する文化庁の委員会では、著作権者に支払う補償金を
デジタル録画機器の価格に上乗せして徴収する案が提示された。既存の録音録画機器を
対象に設けられている「私的録音録画補償金制度」を法改正で手直しして対応する。
消費者団体の委員も理解を示す中、メーカー側の委員だけは「10回に増えても制限が
あるなら補償は不要」「補償金の対象が際限なく広がる」などと反対した。
補償金の額は1台当たり数百円になるという試算もある。価格に転嫁できるのかという、
メーカー側の苦しい事情も分かる。
ただ、ダビング10の行方が迷走していては、消費者は録画機器の購入をためらうだろう。
テレビ観戦や録画の機会が増える北京五輪も控えている。その商機をみすみす逃す
つもりだろうか。
2011年の地上テレビ完全デジタル化の足かせにもなる。アナログ放送の方が録画は
便利、という印象が強まりかねない。(一部略)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)