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元々、冷戦時代、戦車戦力で圧倒的だったソ連・ワルシャワ条約機構軍に対抗する
"タンク・キラー"として開発されたが、持てる力が証明されたのは砂漠の戦車戦だった。
攻撃目標の旧ソ連が開発したT-60、T-72型重戦車でA-10『サンダーボルトⅡ』の前には
鉄くずと化すだけだったと言う。米空軍は同型機の維持が21世紀前半の世界戦略遂行で不可欠と判断。
しかしA-10『サンダーボルトⅡ』の生産は1980年代半ばで終了、
生産前期型は主翼外板の厚さが後期型に比べ薄く8,000 時間が限界。
2011年から機体の寿命に到達するため対応が求められていた。主翼の取り替えで
機体の寿命の延伸を決断したのは使用限界以後、定期点検の繰り返しで補強するより
コストが全体で13億ドル節約可能との分析結果による。
製造メーカーのフェアチャイルド・リパブリック社が
業界再編で吸収合併され担当技術者の不足で経験豊富な
ボーイング統合防衛システム部門に委ねられることになった。
主翼の交換と平行してA-10『サンダーボルトⅡ』のアビオニクス、
先進爆弾搭載機能等、攻撃能力が格段に改善されると言う。
1980年代に製造した生産後期型100機は主翼の外板が厚く
2030年迄現役に留まる構造強度が保証されている。
(終)