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国賓として6日から訪日していた中国の胡錦濤国家主席は10日、奈良、大阪を訪問後、大阪空港から帰国した。
「暖春の旅」と自ら名付け、日中友好を再三強調した胡主席だが、毒ギョーザ事件など日本国民の対中不信の
原因となる諸問題に関しては従来の立場を固持。東シナ海ガス田開発問題などの懸案事項でも進展はみられ
なかった。具体的成果に乏しいなか、チベット問題で日本側から苦言を呈され、行き先々で激しい抗議を受ける
など、胡主席にとって予想以上に厳しい旅だったようだ。(中国総局 矢板明夫)
今回、胡主席は10年前に日本を訪れた江沢民主席(当時)と異なり、歴史問題などで説教めいた言葉を封印し、
日本の国民感情に配慮した言動に終始した。来日直後、日中友好に貢献した大平正芳元首相らの遺族と会見し、
福田康夫首相との首脳会談に臨む前に「パンダの貸与」を発表するなど、日本の対中感情を軟化させようと
「友好ムード」を懸命に演出した。
3月のチベット騒乱以後、胡主席にとって初の外遊となった今回の訪日は、日本との関係を緊密化させることで、
国際社会で高まる対中批判を和らげ、孤立しつつある中国外交の突破口を開きたいとの思惑があった。しかし、
日本側の反応は胡主席にとって厳しいものだった。
2以降に続く
ソース
産経新聞 URLリンク(sankei.jp.msn.com)