08/05/08 04:19:45 0
日中首脳会談で、チベット問題にも人権にも全く触れない共同声明が出された。
中国政府とダライ・ラマ法王の話し合いについて胡錦濤国家主席から説明をうけた福田康夫首相は、話し合い自体を評価した。
が、中国の姿勢は真に評価に値するのか。共同記者会見で胡主席はこう語った。
「ダライ側が、実際の行動をもって、誠意を示し、祖国分裂の活動を真に停止し、暴力活動や扇動行為の画策をやめ、
また戦闘することを停止し、北京五輪の破壊を停止し、次のステップの話し合いのために、条件をつくりあげることを望んでおります」
ダライ・ラマ法王が「北京五輪の破壊」を意図していると、相変わらず、事実に反する主張である。
はたして、これで意味ある対話に進展するのか、率直に言って疑わしい。
中国政府は昨年9月、チベット仏教の真髄である「活仏(生き仏)転生」を中国共産党の許可制とする法律を施行した。
宗教を否定する共産党が、幾千年もの歴史を有するチベット仏教の活仏に許認可権を行使するのだそうだ。
中国共産党はこの噴飯ものの法を掲げ、チベット文明を消し去ろうとする。
そうした制度への、胡主席らの内省的な言及がない限り、中国共産党による話し合いはどこにも到達しない。
したがって、対話開始をもって、チベット問題が解決に向かうかのように受けとめる福田首相は、未必の故意の罪を犯しているに等しい。
(続く)
産経新聞 2008.5.8 03:26
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