08/05/05 21:52:47 SqUqvb+20
さて、移民に門戸を開いたサパテロスペインですが、その後しばらくはとてもうまく運んでいました。経済は相変わらず好調で世界8位まで上昇し、
失業率も低いままで、去年の春ごろまでは、「移民はうまくいく」という好例として、あちこちから賞賛されていました。
ところがスペイン経済を牽引していた不動産バブルがはじけてしまいました。不動産業者の4割は倒産し、
3パーセントを超えていた経済成長率は1.8パーセントに急落。そして真っ先に職を失ったのは、予想通り移民の単純労働者たちです。
それでもサパテロ首相は強気で、メキシコからの不法移民を取り締まろうとするアメリカを揶揄したりしていました。
しかし先月行われた総選挙にかろうじて勝利し、再選されたサパテロさんはどうしたか?なんと一転して今度は、母国に帰る移民には、800ユーロを支給すると発表しました。
母国で仕事を見つけられそうな東欧出身の移民たちは歓迎しているようですが、移民の大半を占める、おそらく本音では一番帰国して欲しいに違いない北アフリカ出身の移民たちは、
「いくら帰国のインセンティブをつけられても、出身国の経済状況が悪ければ意味がない」と、帰る気などないようです。
スペインの実験が成功するにしても失敗するにしても、身を挺してテストケースを提供してくれる国があるということは、
日本にとって幸運なことです。
スペインの実験と日本 2008年04月14日
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