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★「9条改正したら貿易不安」 関学大教授・村尾信尚さん
・改憲論議の核心、憲法9条は、この国に何をもたらしてきたのか。仮に捨てるとすれば、その後に
何が待っているのか。関西学院大学教授でニュースキャスターの村尾信尚さん(52)に聞いた―。
日本がいかにこれからの時代を乗り切っていくか。僕は経済官庁出身の人間として、そんな目で
見がちなんですが、日本を取り巻く国際情勢は地殻変動が起きている。今の憲法9条改正論議には、
そういった視点が欠けていると思うんですね。
例えば、日本の貿易総額に占める対米シェア、対中シェアの推移をみてみる。88年には対米29.1%、
対中4.3%だったのが、07年には対米が16.1%に落ち、対中は17.7%までに伸びた。いまや
日本の最大の貿易相手国は中国なんですよ。
さらに韓国や台湾、アセアン諸国を含めると、かつて日本が侵略した国々との貿易額の割合は4割を
超えている。仮に自衛隊が海外で武力行使できるように9条を改正した場合、これらの国々との円滑な
貿易や経済関係が保てるか非常に不安ですね。もし経済制裁をされたら、日本は多分立ちゆかないと
思うんです。
これからの日本は人口が減少し、世界に例をみない高齢化社会になる。しかも世界最悪の財政赤字を
抱えている。こうした問題は日本一国だけで解決できません。アメリカだけでなくアジア諸国とも平和で
良好な関係を築かない限り、日本の未来はない、というのが僕の思いなんですよ。
9条をなくしてしまうと、アメリカの方に大きく軸足を移さざるをえない。それは日本の独立を保つという
よりは、アメリカの世界戦略のなかに組み込まれていくことになると思います。対米一辺倒でなく、
名実共に等距離外交をしなければなりません。 (>>2-10につづく)
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