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・若者の「海外」離れが加速しているという。業界幹部が「パソコン一つで世界中の情報が
楽しめる。『頭の中の旅』が新鮮さを奪った」とトンチンカンな分析をしたところ、若者たちからは
「金も時間もないから行けないんだよ!!」と猛反発が起きている。
日本旅行業協会(JATA)によれば、海外旅行者は2000年の約1782万人をピークに、
米同時テロや新型肺炎流行などで、03年は約1330万人まで減少。
出国率では、50代後半-60代で増加したものの、20代前半で2.7%、同後半で4.6%減少した。
佐々木隆委員長(JTB社長)は「初めて海外に行ったとき、強烈な驚きと刺激を受けた。
旅行業界が自ら立ち上がり、関係機関と連携して海外旅行への新鮮な興味を取り戻したい」と
決意を示し、沢辺宏推進室長(JATA)が冒頭の分析を語ったところ、ネット上で若者たちの怒りが噴出した。
「年収200万円以下が1500万人じゃ無理もない。ラブホテルさえ行けない」「(海外へ
行かないのは)経験の有無じゃない。テレビやネットで見られるからでもない。もう、憧れが
ないからだ」「『若者の〇〇離れ』というが、クルマ、プロ野球、テレビ、理系、パチンコ、
CD(レコード)、結婚などすべて、30年前の価値観だ」
実際に旅行代理店で働く若手社員らの反応も、極めて冷ややかだ。大手旅行代理店の
男性社員(26)は「学生時代の同級生に自社商品を売り込んでも、行く人はほとんどいません。
忙しかったり、お金がなかったり、面倒くさがったり…。私も普段の営業で疲れ果て、温泉には
出かけても、海外まではとても行く気になれません」。
経済ジャーナリストの荻原博子氏も「今の若い人は不況の中で育っており、海外旅行
全盛時代を知る世代には信じられないほど堅実。初めから、海外旅行にお金を使う習慣が
ないのです。さんざん将来の不安をあおられてきた上、この時代を生き抜くために必死
なんです。ネット情報だけで、旅行に行った気になるはずないでしょう」と切り捨てる。(一部略)
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