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５月６日から国賓として来日を予定している中国の胡錦濤（こ・きんとう）国家主席が、奈良の法隆寺、唐招提寺を
訪問する予定となっていることに対し、中国のチベット問題などを批判する市民らから、受け入れの中止を要望する抗議の
声が両寺に寄せられている。インターネットを中心に広がりを見せる両寺への抗議の声は今月20日前後から始まり、
これまでに両寺に約80件寄せられている。今月26日に行われた長野市の北京五輪聖火リレーに続き、法隆寺などで
抗議行動に発展する可能性もあるだけに、関係者らは神経を尖（とが）らせている。
法隆寺、唐招提寺に寄せられている抗議の声は、主に「チベットで仏教徒を弾圧している中国共産党の胡主席、
日本の仏教を代表する寺が受け入れるべきではない」というもの。電話やファクス、はがきなどで全国から
１日３件程度寄せられているという。今月20日、胡主席の来県を前に、楊潔?中国国務院外交部長が法隆寺を視察した時には、
荒井正吾知事らが出迎えた南大門前で、チベット国旗に「ＦＲＥＥ ＴＩＢＥＴ」と描かれた服を着た市民らが駆け付け、
静かな抗議行動を行った。県内の密教系寺院の僧侶ら20人で作る南都二六会にも抗議の声が届いている。
その声を受け、橋本純信会長は「胡主席の訪日は構わないが、チベットの仏教徒の弾圧をしている中国の国家主席が
寺院を訪問するのは好ましくない」と明言。また、「はっきりと決まっていないが、胡主席が来県する日には、
仏教徒として何らかの抗議表明を予定している」と話している。チベット自治区の人権問題などをめぐり、
人権侵害調査などのボランティア活動をする国際的人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」の奈良グループは５月３日、
奈良市の東向商店街にある奈良キリスト教会前で、北京五輪を前に中国の人権問題改善を求める署名活動を実施。
小谷勝彦代表（37）は「ボイコットではなく北京五輪までに、チベットやウイグル自治区などの中国の人権侵害の改善を訴えたい」と主張、
胡主席の来県時の抗議行動も検討している。
>>2-10あたりに続く
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