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揮発油税の暫定税率が復活し、ガソリンの値段は再び上がった。4月30日に衆院で再可決され、全国の知事がコメントを
出していたが、「ひと安心」「ホッとした」「安堵した」と歓迎する声のオンパレード。和歌山県の仁坂吉伸知事も「県政を預かる
ものとして一安心している」とのコメントを発表した。あてにしていた収入に穴があく恐れがあったが、道路特定財源関連法案の
再可決で何とかしのげることになったからだ。
一方、食料品や光熱費などの値上げが続く中、つかの間のガソリン値下げの夢から覚まされた消費者からはブーイングの嵐だ。
首長と住民の思いがこれだけ乖離(かいり)したケースは珍しいのではないか。もちろん、目先の利益(ガソリン値下げ)にとらわれて
将来の大きな利益を逃すべきではないという論理は理解できる。しかし、暫定税率が失効して以降、行政側から聞こえてきたのは、
「道路ができなくなる」「財源が不足する」と「大変だ、大変だ」という声ばかりで、道路問題の本質を考え直そうという機運はまったく
なかった。それは「道路建設ありき」で進んでいるからだ。
かつて勤務していた地方の県では和歌山と同様、道路建設が最大の関心事だった。その県の関係者がこんなことを言っていた。
「道をつくるのは福祉事業みたいなもの。それ自体が目的で、おまけで車が走れるということだ」と。これは道路特定財源関連法案
の再可決を目指す紀伊半島1周行進のゴールで仁坂知事が話していた「財源をカットし、投資をしなければ必ず生活は悪くなる」
という話に通じるものがある。この論でいけば、生活を良くしようと思えば未来永劫(えいごう)、道路を作り続けなければならないと
いうことになる。
必要な道路をつくることにまったく異論はない。ただ道路は、つくるだけでは幸せを運んでくれるわけではない。10年前に比べれば
高速道路が延伸されるなど、県内の道路整備は進んだ。これは事実。ではこの10年間で和歌山の人口は増えましたか。
10年前より豊かになった実感がありますか。
ソース(MSN産経ニュース・田中伸治氏) URLリンク(sankei.jp.msn.com)