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空腹をしのぐため、ティッシュペーパーにしょうゆをかけて食べる。ファストフード店の廃棄食品を漁(あさ)って暮らす。こんな
若者が「私の身の回りには普通にいます」と、本紙にエッセーを寄せる雨宮処凛さんは対談などで言う
▼まっとうに働けば普通に暮らせる。それがどんどん難しくなっている。雨宮さんはフリーターやネットカフェ難民などの悲惨な
暮らしぶりを通じて訴える。年収が二百万円に満たない人は一千万人を超え、多くが若者だ。低所得で結婚をあきらめる人もいる
▼「三十一歳、フリーター。希望は、戦争。」。昨年「論座」に載った論文が話題を呼んだ赤木智弘さんは、そんな若者の鬱屈
(うっくつ)を代弁したともいえる。戦争こそが、貧富の固定化された格差社会をゼロにリセットするチャンスと考える
▼「安定労働者層の経済を守るために、貧困層が犠牲になる平和。家族を守るために家族を持てない人間が不幸になる平和。
…そんな平和はウンザリ」と「若者を見殺しにする国」(双風舎)に書く
▼憲法は九条で戦争を放棄し、二五条で国民の生存権を保障する。だが、そこでいう「健康で文化的な最低限の生活」が
脅かされ、格差解消のために戦争すら夢見る。こんな若者の出現を、憲法は六十一年前の施行時に想定できただろうか
▼若者だけでない。過労自殺に追い込まれる中高年も、年金や医療で冷遇される高齢者も「守るべき平和」を見失いつつある。
すべての人が享受できる「平和」と「平穏な生活」をどう立て直すのか。憲法記念日に考えたい。
ソース(新潟日報) URLリンク(www.niigata-nippo.co.jp)