08/05/01 03:04:42 0
・ロンドンから始まった中国国外での聖火リレーが終わろうとしている。
「妨害」が相次ぎ、中国ではフランス製品の不買運動やCNNへの抗議活動も起きている。
平和の祭典、スポーツの祭典である五輪の聖火リレーが、なぜこんな混乱と無秩序を
もたらしているのであろうか?
長野市の実行委メンバーは世界各地での「妨害」活動について「迷惑な話だ」と憤慨し
聖火リレー中に物が投げ込まれた萩本欽一氏は「長野のおばちゃんとハイタッチをした
かったのに」と「妨害」活動を暗に批判した。「平和の祭典」らしからぬ暴力的な「妨害」に、
このような批判も当然あるだろう。日本メディアのほとんどはそういう論調で報道していた。
しかし、なぜ、このような「妨害」が起きたのか、ということに疑問を持つ人もいるはずだ。
長野の聖火リレーのランナーになった有森裕子さんは「チベットのことを色々知るようになって
複雑な気持ちだ。だから、平和を願って聖火をリレーする」と答えたが、これは立派な
態度だと思う。彼女が真剣に考えた結果なのであろう。
問題なのは、世界中でチベット問題で中国へ非難の声が高まる中で、ほとんどチベットに
無知だった日本国民と、日本人をそうさせていた「何か」の存在なのだ。この「何か」とは、
一種の情報封鎖システムとも呼べるものかもしれない。
10年前、私はサッカーW杯取材でパリに長期滞在をしていた。この時期、パリで「クンドゥン」
という映画が上映されていて大ヒットしていた。超満員の観客からはエンディングで拍手が起きた。
マーチン・スコーセッジ監督がダライ・ラマ14世の半生を描いた映画なのだが、映像の美しさ、
フィリップ・グラスの趣味の良い音楽以上に、ダライ・ラマ法王の苦難の人生と中国人民解放軍に
虐殺されていくチベット人への強いシンパシーを共有できる素晴らしい映画だった。いつ日本で
公開するのかな、と帰国後楽しみにしていたのだが、結局、宣伝らしい宣伝やパブリシティーなど
ほとんどないまま、翌99年に単館上映であっと言う間に終わってしまったのだ。(>>2-10につづく)
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