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北京に赴任して以来、「野蛮な日本兵」が中国人を虐殺するシーンを毎日のようにテレビで見させられる。
【外信コラム】北京春秋 反日ドラマ 2008.4.28 02:41
4000年にも及ぶ中国の歴史の中に、面白い話題はいくらでも転がっている。しかし、なぜか中国のテレビ
局は、約70年前のほんの数年間だけの日中戦争を題材としたドラマばかりを作っている。
昨年5月に北京に赴任して以来、「野蛮な日本兵」が中国人を虐殺するシーンを毎日のようにテレビで見
せられる。
「亮剣」という人気ドラマがある。包囲されて城に立てこもる日本軍が、八路軍の指揮官の新妻を楼上に縛
り付けて撤退を要求し、指揮官は涙ながらに部下に城への砲撃を命じた-。多くの人が涙した名場面だ。
しかし、日中戦争をほとんどゲリラ戦で戦い抜いた共産党軍が、派手な城攻めを日本軍相手に展開した
史実は見あたらない。それはさておき、「武士道とは死ぬことと見つけたり」との価値観を尊ぶ日本軍の将
校が、このような形で命ごいをするだろうか。
司馬遷著の「史記」の中に、劉邦軍と対峙(たいじ)した項羽が、捕虜となった劉邦の父親を引っ張り出し
て「煮殺されたくなければ降伏しろ」と迫った場面がある。ドラマの作者は、この歴史からヒントを得て創作
したのかもしれないが、「日本人は卑怯者」と決めつけている。
「愛国主義教育」の一環と称しデタラメな歴史ドラマばかりを作る人たちに、「歴史を正しく認識せよ」と
言ってみたくなった。(北京 矢板明夫)
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