08/04/25 23:32:35 0
(>>1からのつずき)
判決によると、吉岡さんは04年1月から、松下PDPの茨木工場で「請負会社の社員」という形で働いていたが、
翌05年5月、「実際は松下PDPの社員の指揮命令のもとで働いており、実態は直接雇用だ」と大阪労働局に
偽装請負を内部告発した。同8月、松下PDPに期間工として直接雇用されたものの、06年1月末、期間満了を
理由に職を失った。期間工だった間、吉岡さんは他の社員と接触できない単純作業に従事させられた。
判決はまず、請負会社の社員だった吉岡さんらの労働実態について「松下側の従業員の指揮命令を
受けていた」などと認定。吉岡さんを雇っていた請負会社と松下側が結んだ業務委託契約は
「脱法的な労働者供給契約」であり、職業安定法や労働基準法に違反して無効だと判断した。
そのうえで、労働契約は当事者間の「黙示の合意」でも成立すると指摘。吉岡さんの場合、
04年1月以降、「期間2カ月」「更新あり」「時給1350円」などの条件で松下側に労働力を
提供し、松下側と使用従属関係にあったとして、双方の間には「黙示の労働契約の成立が認められる」
と認定した。この結果、吉岡さんはこの工場で働き始めた当初から直接雇用の関係にあったと結論づけた。
松下側が06年2月以降の契約更新を拒否したことについても「解雇権の乱用」で無効と判断した。
さらに、吉岡さんが期間工として直接雇用された05年8月以降、配置転換で単独の作業部屋に
隔離されたことについて、「松下側が内部告発などへの報復という不当な動機や目的から命じた」と
認定した。
昨年4月の大阪地裁判決は「偽装請負の疑いが極めて強い」として、就労先には労働者を
直接雇用する義務が生じるとの判断を示す一方、雇用契約の成立は否定していた。 (をはり)