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蛇の目ミシン元取締役5人に583億円賠償命令…東京高裁
仕手集団「光進」(破産)の小谷光浩元代表に恐喝されて多額の利益供与を行い、蛇の目ミシン
工業(東京)に損害を与えたとして、同社の男性株主が、当時の取締役5人に損害賠償を求めた
株主代表訴訟の差し戻し控訴審判決が23日、東京高裁であった。
宮崎公男裁判長は「理不尽な要求に従って、巨額の利益供与を提案・同意した取締役らの過失は
否定できない」と述べ、5人に約583億6000万円の賠償を命じた。
株主代表訴訟の賠償額としては、大和銀行の巨額損失事件で約830億円の賠償を命じた
大阪地裁判決(大阪高裁で2億5000万円で和解)に次いで過去2番目の高額となった。
判決によると、蛇の目ミシン工業は1989~90年、同社の株を大量に買い占めた小谷元代表
から、「暴力団に株を売却したので、取り戻すのに300億円が必要」と脅迫されて300億円を
提供したほか、関連会社を通じて光進の多額の債務を肩代わりした。
1、2審は「取締役5人は脅迫にやむを得ず応じた」として、請求を棄却したが、最高裁は
2006年4月、取締役5人の責任を認め、賠償額算定のため審理を高裁に差し戻していた。
この日の判決は、「取締役らは、小谷元代表の要求に対し、警察に届け出るなど法令に従った
適切な対応をすべきだった」と指摘。同社の最終的な損害額を約583億6000万円と算定した
上で、「580億円余りの賠償命令は極めて酷ではあるが、取締役らの対応は大局的視野に欠け、
稚拙であり、健全な社会常識とかけ離れたものと言わざるを得ない」と述べ、損害全額について
賠償責任があると結論づけた。
株主代表訴訟については、02年施行の改正商法で、会社は賠償額の上限(代表取締役で
報酬の6年分など)を定められるようになったが、重い過失があれば、この上限は除外される。
(2008年4月23日21時50分 読売新聞)
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