【社説】「母子殺害…判決までが異常。ネット等で攻撃激化、テレビは夫の極刑要求を特集…日本は世界の流れに抗い死刑増加」中日新聞★2at NEWSPLUS
【社説】「母子殺害…判決までが異常。ネット等で攻撃激化、テレビは夫の極刑要求を特集…日本は世界の流れに抗い死刑増加」中日新聞★2 - 暇つぶし2ch1:☆ばぐ太☆ ◆JSGFLSFOXQ @☆ばぐ太☆φ ★
08/04/23 14:28:37 0
・光市母子殺害事件の差し戻し審は予想通り死刑判決だった。厳粛に受け止めるべき判決だが、
 ここに至る経緯は異常だった。
 犯行当時十八歳と一カ月だった被告を一、二審が無期懲役にすると、ネットや週刊誌などで激しい攻撃が
 始まった。妻を暴行され、愛児とともに惨殺された夫が、極刑を強く要求し、テレビはその顔をアップで画面に
 とらえ、詳しく報じた。一部メディアは死刑を求める大合唱の場になった。
 無期判決を破棄した最高裁、差し戻し審で死刑にした広島高裁の裁判官が、この影響を多少なりとも
 受けたことは否定できまい。

 その陰で「被害者感情と刑罰の重さの関係」「死刑存廃」それに「刑事弁護の意義」という三つの
 重要問題が置き去りにされた。
 愛する家族を理不尽に奪われた遺族の憤りは理解できる。だが、メディアがそれを生の形で報じると
 社会の報復感情をあおり立てることになりやすい。被害感情を量刑に直接反映させると裁判が復讐の
 場になりかねない。

 被告は中学時代に母親が自殺、実父が若い外国人女性と再婚するなどして不安定な家庭で育った。
 そうした成育環境が被告の心に与えた悪影響の論議は、最高裁以降かき消されてしまった。
 国際的には死刑の廃止国数が存置国数を上回り、なお増えつつある。日本では真剣な議論が行われない
 ままこの流れに抗し、死刑判決が近年、増加している。

 裁判員裁判では、被害者感情への対応や死刑を含む量刑の判断を市民が迫られる。一人ひとりが
 自分の責任で意見を言えるよう、考えを深めておきたい。
 殺意を否認した弁護団に対する攻撃も異常だった。タレント弁護士がテレビで攻撃をあおるかのような
 発言をし、弁護士会に懲戒を求める請求が殺到した。
 どんな凶悪事件の被告にも適正に裁かれる権利がある。それを守る弁護活動が被害者感情、市民感覚と
 合致しなくても、封じることは許されない。

 犯罪への対応はその社会の成熟度を反映する。裁判員裁判に臨むにあたり、刑事司法をわがこととして
 もっと関心を持ちたい。(一部略)
 URLリンク(www.chunichi.co.jp)

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